エアコンの室外機を問題なく地面やベランダの床などに置ける環境であるならば、
エアコン設置費用も抑えられ、後々のメンテナンスなどもしやすくて理想的ではあるのですが、
立地条件やエアコンを使用する環境によっては、室外機を地面やベランダの床などに設置できないところが多々あります。
室外機を外壁面や屋根などに置かれているのを見かけた事がある方も多いと思いますが、
そういった場所に室外機を設置すために使われているのが室外機用架台(アングル)です。
『ハンガー』や『キャッチャー』と呼ばれることもあります。
ここでは、室外機を様々な場所に設置する為のアングルについて注意するべき点なども交えてご説明します。
壁面アングル
外壁面に室外機を設置するためのエル型の架台です。
主にベランダの無い部屋や家の外周(地面)に室外機を設置できるスペースが無い場合や
降雪が多い場所では、室外機が雪に埋まってしまわないように高さをかせぐために使用されたりします。
壁面アングルの設置に使用するボルト(固定用の大きなネジ)は室外機を支えるだけの強度が必要ですので、
お家の柱や梁などの耐久性のある構造物に固定します。
上記の写真でも、窓枠のすぐ横と建物の角には柱がありますので、そこにボルトで固定されていることがわかります。
一方、壁面アングルを使用するデメリットとして、
お家の外壁に直接室外機を設置するものですので、運転時の室外機の振動が伝わりやすく、
壁面アングルを設置する場所や、お家の構造、エアコンを使用する時間帯などによっては
室内側でかなり音が気になることもあります。
注意点として、室外機の大きさや重さによって種類があります。
屋根置きアングル
傾斜がある場所に室外機を水平に設置するために傾斜に合わせて微調整できる架台です。
主に屋根に設置する場合に使用されます。
屋根材(瓦やカラーベストなど)にボルトなどを打ち込むわけにはいきませんので、架台自体はただ置かれているだけで、
強風などでの転倒や落下を防止するために、家の耐久性がある構造物(柱や梁)などにステンレスのワイヤーをボルトで取り付け
室外機本体や架台をくくり付けて固定します。
家の外壁面に対して室外機を平行に設置できるように、平行型や直角型などがあります。
屋根置きアングルのデメリットとしては、壁面アングルと同じく振動が伝わりやすく、場合によっては
屋根置きアングルを設置した直下の部屋では特に音が気になることがあります。
注意点としては、アングルの中では比較的不安定な設置方法ですので、室外機が大きくて重たい機種はお勧めできません。
二段置きアングル
室外機2台を横に並べて置けないような場合に上段下段と重ねて設置するための架台です。
上段に設置すれば地面からの高さを確保できるので、
室外機の送風の妨げになる前面の障害物(ブロック塀など)をかわしたり、積雪の影響を受けにくくする
目的で使用される事もあります。
屋根置きアングル同様、倒れてしまわないように、ステンレスのワイヤーなどでくくりつけて設置します。
二段置きアングルに関しては目立ったデメリットはありまん。
室外機の大きさや重さによって種類があります。
天井吊りアングル
公団アングルなどと呼ばれる事もあり、公団住宅などの集合住宅でよく見かけます。
ベランダなどのコンクリートの天井からボルトで室外機を吊り下げて設置しますので、
スペースが有効に使えて、集合住宅などのベランダの避難経路の障害になりにくいなどの利点があります。
設置する天井の高さや室外機の大きさによっては
人の頭の高さまで下がってくる場合があるのでぶつけて怪我をしないように注意が必要です。
天井吊りアングルは一般的な戸建て住宅ではほとんど使われることはありません。
集合住宅などで使われる際は、建物の建設段階から設置される場合がほとんどです。
もし、現在お住まいの集合住宅などで今から天井吊りアングルを使用したい場合は、
建物に穴を開けてボルトでアングルを設置しますので、事前に建物のオーナーや管理会社、建築会社などに相談が必要です。
このように、アングルを使用する事で様々な環境や条件でもエアコンを設置する事ができたり、
限られたスペースを有効に使えたりすることができます。
しかし、家庭用ルームエアコンの室外機でも重たいもので40kg以上の物までありますので、
そのような重量物が何年もアングルに乗り続けるのですから、
きちんとした知識と技術を持った施工業者に依頼して設置することが大切です。
最後までご覧頂きありがとうございます。
このブログが少しでもあなたの参考になり後悔しないエアコン選びをお手伝いできるなら幸せです。