稀に、エアコンの電源を延長コードを使って、タコ足配線で接続していたり、
足元の高さにある、分岐回路のコンセントからエアコンの電源を取っていたりするのを見かけることがあります。
分岐回路というのは、1つのブレーカーに対して複数のコンセントや照明などが接続されている回路のことを言います。
対して、専用回路(専用コンセント)は1つのブレーカーに1つのコンセントが接続されていることです。
エアコンには必ず、エアコン用の専用回路に接続する必要があります。
始動電流
エアコンは、大きなコンプレッサーやモーターなどを搭載しており、それらが運転を開始したとたん
定格電流(安定した運転を行なっている時)よりも大きな電流が一時的に回路に流れます。
これを始動電流といいますが、この大きな電流に適した回路が必要であり、それが専用回路ということになります。
200V機種を設置する場合
エアコンの能力(畳数)が大きくなると200V(ボルト)の電圧を必要とする機種が多くあります。
エアコンの電源プラグを差し込もうとするコンセントが専用回路でない場合、(分岐回路の場合)
ブレーカー側で200Vへ切り替えを行なってしまうと、その回路に接続されている他のコンセントや照明回路が全て
200Vへと切り替わってしまい、それらに接続されている100V用機器が一瞬で破損、発火する可能性があります。
室内機設置スペースのすぐ横にコンセントが有る場合でも、それがエアコン専用コンセントとは限らないのです。
こういった理由からも、エアコンには必ず専用コンセントが必要なのです。
専用コンセントの調べ方
確認の仕方は、室内機設置場所にあるコンセントにテスターなどを使って、電圧が100V付近であることを確認します。
次にブレーカーを一つずつ下ろして(オフにして)いきます。
テスターの表示電圧が0Vになったブレーカーだけを下ろし(オフにし)、それ以外のブレーカーは全てオンの状態にします。
その状態で他のコンセントや照明などに、きちんと通電(使えるか)されているか確認します。
万が一通電されていない照明やコンセントがある場合は、
室内機設置場所にあるコンセントは(分岐回路である)可能性が高いです。
そのような場合には、新たに分電盤からエアコン用に専用電源を配線する必要があります。
テスターや検電器などを使って回路を特定する作業は資格などがなくても可能ですが、
専用回路を配線したり、電圧を切り替えたり、コンセントを交換する作業は電気工事士の資格が必要です。
現在の新築住宅では、ほぼ必ずと言っていいほどエアコンには専用コンセントが設けられていますが、
20年以上前に建てられた建物などでは、エアコンの側にあるコンセントが分岐回路であったり、
100Vコンセントの形状なのに200Vが印加されていたりしますので、特に注意が必要です。
今からエアコンを買い替えたり、新たに購入しようとする際に少しでも心配な場合は、
エアコン販売店や取り付け業者などに、事前に確認してもらうことをお勧めします。
最後までご覧頂きありがとうございます。
このブログが少しでもあなたの参考になり後悔しないエアコン選びをお手伝いできるなら幸せです。