特に、夏や梅雨の湿度が高い時に冷房運転や除湿運転をすると、エアコンから大量の水が出ます。
なぜ、冷房運転や除湿運転をした時だけ室内機から水が発生するのでしょう。
エアコンの室内機と室外機には熱交換器(エバポレーター)という機器が入っています。
冷房運転の場合、室外機から液体の冷媒が、室内機のエバポレーターへ循環します。
この冷媒が気化する際に周囲の空気中の熱を奪うことで、部屋の空気が冷やされていきます。
この時、室内機の熱交換器の表面が結露して水が発生します。(冷たい氷水を入れたコップが結露するのと同じ原理です)
湿度が高い梅雨などの場合は、空気中に含まれる水分が多いため、エアコンから発生する水も多くなります。
室内機内で発生した水をドレンパンという皿で受けて、ドレンホースによって屋外へ排水します。
ドレンホースの勾配
家庭用エアコンの室内機から発生する水は水道水のような勢いがありません。
重力に従って落ちていくだけですので、水が流れるルートは全て勾配が必要になります。
垂直に真下にドレンホースを下ろせるなら問題ありませんが、水平に横に配管する必要がある場合では、
勾配がどれほど必要なのでしょうか。
私も気になったことがあり、大手メーカー数社に問い合わせてみたところ、
『決まりはありませんが、きちんと水が流れるだけの勾配が必要です。あえて言うなら50分の1以上です。』
(50分の1の勾配ということは1mで2cmの勾配です。)
という回答が多かったです。
ドレンホースの勾配は、最大限とる必要がありますが、水平方向に配管する場合は最低でも50分の1以上の勾配が必要です。
どうしても勾配が取れない場合は『ドレンアップキット』という専用ポンプを使用することで解決する事があります。
ドレンホースの断熱
冷房運転時の室内機からは、とても冷たい水が出ます。
この冷えた水が通ることで、ドレンホースが冷やされてホース自体が結露しやすくなります。
主に、室内側にドレンホースが露出する場合には、専用の断熱材を使用して結露を防止する必要があります。
排水場所について
稀に、地面に直接排水することを嫌って、ドレンホースを雨どいや排水溝に直接差し込んでいることがあります。
平常時には確かに地面が濡れることなく排水されるのですが、
大雨が降った時などはドレンホースの先端が浸かってしまい、室内機から漏水する恐れがあります。
ドレンホースは出来るだけ地面につかない高さでカットして垂れ流すか、
勾配に注意しながら、排水しても支障のない場所まで塩ビパイプなどで配管することをお勧めします。
ドレン排水は勢いのない水ですので、僅かな逆向きの勾配やトラップなどで簡単に室内側から漏水します。
エアコン設置の際には、ドレンの勾配に気を配ることが大切です。
(注意)ここでご紹介する事を実践する場合は、必ず自己責任で行ってください。
また、エアコン設置に伴う作業の中には電気工事士などの国家資格が必要なことも多々ありますので、
よくご確認の上行うようにして下さい。
エアコン設置にまつわる電気工事については こちら をご覧下さい。
最後までご覧頂きありがとうございます。
このブログが少しでもあなたの参考になり後悔しないエアコン選びをお手伝いできるなら幸せです。