エアコン取り付けに必要な『工具』と『材料』

エアコンを設置するには様々な材料工具が必要です。

一般的なホームセンターなどで販売されている工具や材料もありますが、

空調工具専門店などでしか販売していないものもあります。

エアコンをDIYで設置したい場合、なかには使い道が他にはなく、高額な工具も必要としますので、

何もない状態から全ての工具と材料を用意することを考えると、

エアコン設置業者に依頼した方が安全で安くつくかもしれません。

しかし、工具は一度揃えると、大切に扱えば長く使用でき、汎用性の高いものもありますので、

事前に知識を蓄えてチャレンジしてみるのも良いかもしれません。

エアコン1台問題なく設置できれば、条件にもよりますが、

次からは材料費だけでエアコンを設置することが可能な場合があります。

 

(注意)ここでご紹介する事を実践する場合は、必ず自己責任で行ってください。

また、エアコン設置に伴う作業の中には電気工事士などの国家資格が必要なことも多々ありますので、

よくご確認の上行うようにして下さい。

エアコン設置にまつわる電気工事については こちら をご覧下さい。

 

この記事でのエアコン設置条件

適切な位置に空いた(室内機の真裏)配管用貫通穴と、設置しようとするエアコンに適合したコンセントが既にあり

室内機と室外機が同一階に設置でき、室外機は地面や床に設置し、配管の仕上げはテープ巻き配管とする事を想定しています。

この条件は配管の長さにもよりますが、設置業者や販売店などでは、基本工事と言われる場合が多いです。

 

ここでご紹介する材料や工具は、必要な物あれば便利な物がありますので、

分けてご紹介します。

 

エアコン設置に必要な『材料』

 

エアコン用配管

家庭用では主に(2分3分)や(2分4分)と言われる規格の配管が使用されます。

2分や3分というのはエアコン用配管の太さを表しています。

設置しようとするエアコンに適合した配管が必要です。(メーカーカタログやエアコンの外箱などで確認できます)

ホームセンターなどでは20m巻きで販売されている事が多いです。

エアコンをDIYで設置する際にお勧めなのは、ある程度の必要な材料がセットになって販売されているセット配管です

このセット配管にはそれぞれの配管長さに合った

フレア加工済みの配管・電線・ドレンホース・パテ)などが同梱されています。

セット配管は規定の長さにカットされていますので、購入前に必要な配管の長さを測っておく必要があります。

 

VAの2,0mm×3芯

VAとは、(平型ビニールシースケーブル)という名称の電線で、

『VVFケーブル』や『Fケーブル』などと呼ばれる事もあります。

室内機と室外機に接続し、通信線などとも呼ばれます。

2,0mmというのは電線の太さを表しています。

VAの2,0mmの太さの、3芯(3本線)のものが必要になります。

切り売りされている販売店も多いですが、巻物ですと100m巻きなどで販売されています。

エアコンの通信線には1,6mmの電線で良いとしている方もおられるようですが、

一部の機種を除き、メーカーの指定では2,0mmとされています。

 

エアコン用ドレンホース

エアコンから出る水を排水するための専用のホースです。

ほぼ屋外で使用されることから、なるべく耐候性のあるものを選びましょう

セット配管を購入される場合は、同梱されている場合が多いので必要ないかもしれません。

 

室外機用プラスチック架台

室外機の足にビスやボルトなどで固定して、

室外機の高さを確保したり、安定させる目的で使用されるプラスチック製の架台です。

『プラブロック』などと呼ばれています。

 

ビスやアンカー

室内機の背板(据え板・バックハンガー)を壁に設置するためのネジやアンカーです。

アンカーとは下地がない中空の壁にネジを効かすためのバックアップ材です。

石膏ボードやコンクリートなど、使用する壁の材質によって使えるアンカーが異なります。

家庭用エアコンの室内機の設置で一般的に使用されるビスは、主にM4(ビスの太さ)の規格が多いですので、

アンカーもM4の規格に適合したものを使用します。

最近の室内機は大きく重たいものが多いので、

できれば壁裏の間柱などにもビスをしっかり効かせて固定します。

その際に下記で紹介する、下地探しがあると便利です。

 

エアコン用ビニールテープ

ある程度の耐候性があるビニールテープで、細い物と、幅広のものを用意すると便利です。

色は、アイボリー・ホワイト・ブラック・グレー・ブラウンなどがありますのでお好みで選べます。

 

パテとコーキング

パテとは、配管穴に配管を通した箇所の隙間から虫や雨風などが入らないように埋めるための粘土状の充填材です。

パテで埋めた後に、コーキングと言われるシリコンの充填剤を薄く塗布することで、いっそう雨などの侵入を防げます。

コーキングは筒状で販売されており、ところてんの様に押し出して使用しますので、

専用のコーキングガンがあると便利です。

パテはセット配管には、1個は同梱されている場合があります。

 

あれば便利な『材料』

 

配管用支持材

配管を壁などに固定するための支持材です。

サドルなどと呼ばれており、金属やビニールでできたものがあります。

 

ドレンホース分岐ジョイント

冷房運転時に室内機から発生する水と、暖房運転時に室外機から発生する水を排水する二本のホースを

一本にする事ができます。

(Yジョイント)などと呼ばれます。

 

防振ゴム

主に室外機を設置した際の傾きを補正したり、振動を抑えたりする目的で使用します。

 

 

必要な『工具』

 

エアコン配管用(R410A用)フレアツール

配管の切り口をラッパ状に加工して、室内機の補助配管や室外機に接続するために使用します。

現在販売されている家庭用エアコンで使用されている冷媒ガスはほぼ(Rー410A及びRー32)ですので、

その規格に適合したフレアツールが必要です。(ピンクのリングなどが目印です)

 

チューブカッター

配管を任意の長さで切断するために使用します。

切断面が美しく切れるので、フレア加工の際には必ずチューブカッターで切断する必要があります。

 

配管用リーマー

パイプカッターで切断した部分のバリを除去するために使用します。

フレア加工には必須です。

(注意)フレア加工済みの配管が付属しているセット配管を使用する場合、

上記の『フレアツール』『パイプカッター』『リーマー』は不要です。

 

トルクレンチ

エアコン用配管の締め付けに適したトルクが掛けられるレンチです。

こちらも(Rー410A)専用のものが必要です。

大きさは、2分用・3分用・4分用などが家庭用エアコンでは使用されます。

長く使用すると適正トルクが掛けられなくなる可能性があるので、定期的に校正されている必要があります。

 

水平器

チューブの中にオイルと気泡が入っていて、気泡の傾きを見る事で、様々な物の水平を確認できるものです。

エアコン設置では主に室内機に付属している背板(バックハンガー)を設置する際に使用します。

大体どこのホームセンターでも売られています。

 

電動ドライバー(プラスビット)

特に室内機の背板の設置や、配管の支持、室外機のプラブロックの取り付けに使います。

エアコン設置に使用する場合、あまりパワーのあるものは必要ではありませんが、

汎用性がとても高いので、一つあるとエアコン工事だけでなく重宝すると思います。

ハンドツールだけでのエアコン設置は可能ではありますが、とてもたいへんです。

 

スケール(メジャー)

設置前の確認や配管長さなどを測るため必ず使用します。

尺表示ではなく、メートル表示のものを使用します。

 

真空ポンプ

配管の接続完了後に、配管や機器内の空気を抜いて乾燥させるために使用します。

恐らく家庭用エアコンの設置に必要な工具の中で最も高価で、汎用性はほぼありません。

しかし、エアコン設置には必須の機器です。

真空引き作業について詳しくは こちら をご参照下さい。

 

真空ゲージ類

真空ゲージは真空ポンプによって配管内を負圧にする際に、真空度を測定するために使用します。

配管接続箇所がうまくいっているかの簡易的なチェックにも使用できます。

デジタル式が使いやすいですが、アナログ式でも問題ありません。

マニホールド(連成計)は真空度を正確に測定できませんので、必ず真空計が必要です。

チャージングホースやチャージングバルブは、

真空ポンプや真空ゲージを室外機のサービスバルブに接続するために使用します。

 

ドライバー、カッター、ペンチ、鉛筆

電線の被覆を剥いたり、カバーを脱着したりと多用途に使用します。

 

脚立

室内機の設置や配管作業の際に使用します。

椅子などを脚立がわりに使用するのは大変危険です。

 

振動ドリル

ハンマードリルなどとも呼ばれ、振動で叩きながら回転して、コンクリートなどに穴を開ける事ができます。

室内機の背板をコンクリートの壁に設置する際や、コンクリートの外壁に配管の支持材を固定する場合は必要です。

室内側の壁が石膏ボードやコンパネの場合、外壁がコンクリートやブロックなどではない場合は必要ありません。

 

あれば便利な『工具』

 

VA電線用のストリッパー

ストリッパーとは電線の被覆を剥く際に使用する工具です。

カッターやナイフなどよりも、早く安全に被覆を剥く事ができます。

 

下地さがし

室内機の背板を設置する際に下地(間柱など)を探すために使用します。

壁に当てて押し込むと先端から細い針が飛び出し、下地の有無を確認できます。

これが無くても、ある程度は手でノックして打音で判断する事もできます。

 

エアコン配管用スプリングベンダー

エアコン用配管は極端に曲げてしまうと簡単に折れ曲がってしまいますが、

このスプリングベンダーを配管に挿入して曲げる事で、配管が折れ曲がるのを防ぐ事ができます。

配管は径が大きく(太く)なるほど折れやすくなりますので、家庭用エアコンで主にスプリングベンダーを

使用するなら4分用があると便利です。

 

 

上記の材料と工具があれば、冒頭で記載した条件でのエアコン設置工事が可能です。

私たち設置業者はお客様のお家で作業しますので、この他にも養生用のマットや緩衝材なども用意します。

エアコンをDIYで設置しようと思うと、主に工具への出費が大きくなってしまいます。

中にはエアコン設置工事でしか使い道のない工具などがありますので、購入の際にはよく検討してみて下さい。

 

最後までご覧頂きありがとうございます。

このブログが少しでもあなたの参考になり後悔しないエアコン選びをお手伝いできるなら幸せです。