エアコンを設置する際に、作業をどのような順番で行うのかをご紹介します。
(注意)ここでご紹介する事を実践する場合は、必ず自己責任で行ってください。
また、エアコン設置に伴う作業の中には電気工事士などの国家資格が必要なことも多々ありますので、
よくご確認の上行うようにして下さい。
エアコン設置にまつわる電気工事については こちら をご覧下さい。
ここでご紹介する施工条件は
適切な位置に空いた(室内機の真裏)配管用貫通穴と、設置しようとするエアコンに適合したコンセントが既にあり、
室内機と室外機が同一階に設置でき、室外機は地面や床に設置し、配管の仕上げはテープ巻き配管とする事を想定しています。
この条件は配管の長さにもよりますが、販売店や設置業者では、基本工事と言われる場合が多いです。
各作業の記事の中に、専門記事として『詳しくはこちら』というリンクを貼っていますので、
順に読み進めていただけると、エアコンを取り付ける際の一連の作業が理解しやすいかと思います。
一つの記事にすると膨大になるため、読みにくいかと思いますが、ご了承ください。
全ての作業の中でとても重要な事です。
ここを適当にしてしまうと作業が中断してしまったり、後に引き返せなくなってしまう事もあります。
作業前の確認について詳しくは こちら をご参照下さい。
必要になる材料がいくつ必要になるか、工具は何が必要かを書き出し、
もう一度エアコン設置場所と照らし合わせて確認します。
エアコン設置に使う材料や工具について詳しくは こちら をご参照下さい。
脚立を立てる場所や、室内機を開梱して置いておく場所などに養生をします。
エアコンの室内機設置場所の周辺は
2畳程度の作業スペースが確保できると作業しやすいです。
室内機に付属の背板(バックハンガー)を壁に取り付けます。
この際に注意するのは、水平かどうかと、強度です。
エアコン用配管穴に対して逆側に少しでも勾配がついてしまうと、間違いなく漏水しますので、
必ず、水平器などを使って水平に設置します。
強度については、出来るだけ壁裏の下地(間柱など)を確認して、しっかりとビスを効かせるようにします。
下地がない場合は、設置する壁の材質に適したアンカーなどを使用して確実に取り付けます。
室内機の全重量はこの背板にかかりますので、確実な固定を心がけてください。
背板が確実に設置できたら次に、配管貫通穴に、電線(VA2.0mm×3芯)・配管・ドレンホースを
挿入します。
VA電線の被覆を剥き室内機の端子台へ確実に挿入します。
この際、端子台付近や施工説明書には必ず(ストリップゲージ・電線の被覆を剥いた図)がありますので、それを参考に、
電線の被覆を剥き、芯線が端子台からはみ出す事がないように奥まで確実に挿入してください。
室内側の配管の先端をフレア加工し、室内機を裏返し、床に寝かせます。
室内機に付いている補助配管を、根本からゆっくり90度に立つまで起こし、配管をトルクレンチを使い接続します。
配管のフレア加工について詳しくは こちら をご参照下さい。
同じく、補助ドレンをドレンホースに確実に差し込み、抜けないようにビニールテープで固定します。
これで、室内機に接続するものは全てですので、これらを綺麗に束ねて細いビニールテープで固定し、
その上から、隙間ができないように配管穴側から室内機に向かって、配管の根元まで幅広のテープで巻いていきます。
この時、巻く方向が配管穴側からというのは、テープが重なった部分から雨などが侵入するのを防ぐためです。
今の状況は、室内機が床に裏返った状態で、そこからテープで巻かれた配管が穴へと真っ直ぐに伸びているはずです。
次に、室内機を両手でしっかりと抱えて、背板へ向かって配管ごと押し込んでいきます。
この時、配管が貫通穴の縁などで擦れたらテープが傷付きますので、手に持った室内機を掲げて高さや角度などを調整しながら
慎重に押し込みます。手伝ってもらえる人がいるようでしたら、配管を穴へ誘導してもらうと安全でスムーズです。
背板のすぐ前まで室内機を持ってきたら、
掛け時計のように上部から引っ掛けて、次に下部を押し込むと『カチッ』と音がして固定できます。
壁と室内機との間に大きな隙間がないことを確認します。
これで一旦、室内での作業は完了です。
外に出ると、配管穴から配管が無造作に飛び出しているはずですので、
配管を壁に綺麗に沿わすために曲げるのですが、この時注意するのが、配管を直角に急激に曲げない事です。
穴の出口の下に手を置き、もう一方の手で配管を持ち、穴側の手を支点にしてゆっくり配管を曲げます。
この要領で室外機設置場所の近くまで配管を壁に沿わせて持っていきます。
この際にドレンホースは地面に接触しない高さでカットしておきます。
室外機を開梱して、室外機設置用架台のプラスチックブロックを二つ、室外機の足にビス留めします。
次に、任意の場所に室外機を搬入して設置します。
室外機がなるべく水平に設置できるように心がけます。(この時に接続部のカバーを外しておきます)
どこで配管をカットすれば良いか確認するため、
配管を折らないように慎重に曲げて、室外機の配管接続部にあてがいます。
配管の曲げ方について詳しくは こちら をご参照下さい。
カットする長さが確認できたら、そこよりも少しだけ長めに(5cm程度)パイプカッターで切断します。
テープが巻かれていない箇所は、この時点で隙間なく綺麗に巻いておきます。
室内機側の接続と同じ要領でフレア加工をして、室外機の三方弁にトルクレンチを使い接続します。
配管が確実に接続できましたら、三方弁についている袋ナットを全て(3つ)外し、
低圧側(太い配管側)のサービスバルブ(一番小さなバルブ)に、チャージングホースを繋ぎ真空ポンプと接続します。
ポンプの電源を入れ真空引きを開始します。(しばらく放置します)
真空引き作業について詳しくは こちら をご参照下さい。
その間に、VA電線を室内機同様に端子台に接続します。
この際、端子台にある色(黒・白・赤)と番号(1・2・3)は、室内機側と同じ色・番号に接続してください。
真空ポンプの性能や配管の長さによって、ポンプの稼働時間は代わりますので、ここでは(何分)ということは記載しませんが、
真空ゲージのメモリで(−0,1mpa)を指していることを確認し、真空ポンプの電源を切り、しばらく放置します。
この間に他の作業(配管穴のパテ埋め・清掃など)を行うと効率がいいと思います。
しばらくしてからもう一度、真空ゲージのメモリを読んで(−0,1mpa)から動いていないことを確認します。
万が一この時点で、真空ゲージのメモリが正圧側(−0,09mpaなど)に戻っていた場合は、
配管接続部などの施工不良が考えられますので、もう一度接続箇所を確認する必要があります。
問題なければ、サービスバルブからチャージングホースを外します。
室外機の三方弁のバルブ(低圧側と高圧側の二箇所)を六角レンチを使って全開にし、ガスを循環させます。
外しておいた袋ナットを軽くレンチで締めて、カバーをします。
いよいよコンセントを差し込み試運転をします。
季節にあった運転(冷房か暖房)をして、しばらく様子を見ます。
特に夏場の冷房運転時には時間はかかりますが、しばらく運転を掛けたまま放置し、
外に行ってドレンホースの先から排水がうまく流れているかをチェックしましょう。
冷房運転の場合は室外機では暖かい風が出て、暖房運転の場合はその逆で冷たい風が出るのは、
うまく熱交換ができている証しですので、正常です。
以上、長くなってしまいましたが、これが基本的なエアコン設置の作業の流れです。
作業の順番や方法は、その場所や環境や使用する材料によって様々に変わりますが、今回の条件での設置でしたら、
この順番と方法が比較的作業しやすく、安全に行えると思います
最後までご覧頂きありがとうございます。
このブログが少しでもあなたの参考になり後悔しないエアコン選びをお手伝いできるなら幸せです。